片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館)

世界の中心で、愛をさけぶ

amazonで検索すると、1000件近くの感想が寄せられている。さすがは大ベストセラーだ。
しかし、その評価は平均で2.5。最近のものだけをちょっとだけ覗いたけど、「中学生の作文レベル」なんていうキツーイものもあったりして、なかなか手厳しい。

たしかに、ハードカバーで1400円するにもかかわらず、1時間ちょっとで読めてしまうので、「コストパフォーマンス」はけっして高くはない。もう400円出して映画館で2時間過ごす方が、いいかもしれない。(私は図書館で借りたけど)
また、主人公の男の子の名前が朔太郎というのもどうかと思うし、だいいち、言動の描写が「すべりまくっている村上春樹」である。中学生には無理があるというものであろう。
そして、もっとも謎なのが、この朔太郎と、アキという女の子が、どうしてそれほどお互いを好きになったのか、というところ。ここのところがほとんど書かれていない(書かれているのかもしれないが、私には読み取れなかった)ので、テレビの宣伝で幾度と無く見た「世界の中心で、愛をさけぶ」場面に来ても、「うーん」という感じ。

となると、この本を買って読んでいる層というのは、どういう方々なのか、気になる。購入者の年齢分布とか、どこかに分析が出ているのだろうか。
最大の謎は、「どういう人々が買っていったのか」ということかもしれない。



つぎに読んだのは、上の本とはまったく対照的。