2006-01-01から1年間の記事一覧

ジークムント・バウマン『リキッド・モダニティ 液状化する社会』(大月書店)

いかにも翻訳ものという感じで、しかもけっこううねっている文体なので取っつきにくいけれど、いろいろと「目からうろこ」的な記述がある。印象に残った部分を抜き出してみると、 いま、一般に「公的課題」とみなされているもの、あるいは、そう解釈されてい…

『UP』2006/4月(東京大学出版会)

毎年この時期に掲載されている「アンケート 東大教師が新入生にすすめる本」。今年は冒頭に本田由紀氏が書いていた。ちなみに「これだけは読んでおこうー研究者の立場から」というテーマで本田氏がすすめていたのは、 『監獄の誕生』ミシェル・フーコー 『危…

日記のデザインを変えてみた。 (やはり、それなりに文字が大きくないと見づらいと思うので)

末木文美士『仏教 vs.倫理』(ちくま新書)

これは収穫。 著者は仏教学の研究者。(全く知らないけど、その分野では著名な方かもしれない) すでに書評が出ていたので、いちおうリンクしておく。 http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20060228bk01.htm http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei…

近所の古本屋で100円で売っていたので、題名にひかれつつ購入し、読んでみた。

「図書」2006年春(岩波書店)

「岩波新書リニューアル」という特集号。冒頭で斎藤美奈子、佐藤俊樹、永江朗の3氏による対談がある。この中で斎藤が、 そういう変化のきわめつけが、1994年に出た永六輔さんの『大往生』。岩波新書は、この本で「わしはもう何でも出すのじゃ!」という印象…

東浩紀 編著『波状言論S改』(青土社)

北田暁大、宮台真司、大澤真幸、鈴木謙介といった若手+中堅どころ?の社会学者との対論をまとめたもの。ここで名前が出ている人たちのよい読者では全くないのだけど、あちこちに突っかかりながら進んでいく議論を追いかけていると、この10年くらいでリバタ…

森博嗣『ダウン・ツ・ヘブン』(中央公論新社)

久しぶりの森博嗣。 パイロット(ジェットではなくプロペラ機)であるクサナギが主人公のシリーズ3作目。装丁は凝っていて、本屋でも思わず目に止まる。 過去や未来といった時代設定や場所など、小説の背景があいまいにされたままなのだけど、それゆえに、…

最近読んだ本から。

サイエンス・ウォーカー

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またもや森山さんの日記から。 ▼コンビニで「サイエンス・ウォーカー」が折り込まれた「東京ウォーカー」を購入。めっちゃ普通。ただの折り込み広告です。 ▼よそでも書いたのだけど、これに投じられた7000万円は、コンテンツ(チラシ)製作代というよりは、…

「惑星ソラリス」原作者 スタニスワフ・レムさん死去

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http://www.asahi.com/obituaries/update/0328/001.html 森山さんの日記「K. moriyama's diary」で知った。享年84歳。もっとも有名なSF作家、と紹介されていたが、私が読んだのは国書刊行会から出た新訳の『ソラリス』のみ。それでも、この人の「すごさ」の…

坂木司『青空の卵』(東京創元社)

例によって、北上次郎氏による書評を(どこだかの雑誌で)読んで興味が湧いたので、読んでみた。 自宅でプログラマーをしている引きこもりの鳥井と、外資系の保険会社に勤める坂木の二人が遭遇する、ちょっと変わった人たちとの交流と謎(出来事)が交錯する…

村上春樹氏:チェコの「フランツ・カフカ賞」を受賞(MSN毎日インタラクティブ、から)

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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20060323k0000e040053000c.html ... 同賞は01年に創設、今年が6回目。これまで04年にオーストリアの女性作家エルフリーデ・イェリネク氏、05年には英国の劇作家ハロルド・ピンター氏が受賞。両氏…

予約制本屋さん 人気(YOMIURI ONLINE/読売新聞、より)

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http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060316bk0b.htm ...横浜市で昨年8月にオープンした「エンカウンター」は、ちょっと変わった書店だ。 同店で本を手に取るためには、来店を予約し、入場料を払う必要がある。書店に1時間いるなら500円、2時間なら…

本関連で見つけた記事をメモ。

横田増生『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局)

図書館の棚をなにげなく眺めていたら目に止まったので、借りて読んでみたらけっこう引き込まれ、一気に読了した。 潜入ルポ、とあるように、アマゾンの物流センターにアルバイトとして雇われた半年間の経験をもとに書かれたルポルタージュ。副題にある「躍進…

強風

昨日の東京は記録的な強風だったらしい。午後から出かけたのだけど、あんまりにも風が強くて寒いので、早めに用事を切り上げて帰ったのだった。 JRでは一時運行を見合わせる路線もあって、相当数の客に影響が出たとか。(昨晩のニュースで知った) でも、強…

「THE有頂天ホテル」(三谷幸喜 監督)

だいぶ前に職場で前売り券をいただいていたのだけど、ぼーっとしていると上映期間が終わってしまいそうだと気がついて、あわてて見に行った。 先週の金曜日、日比谷スカラ座の最終回で見たのだけど、いやー客の少ないこと。広い劇場ではあったけどガラ空きで…

このところニュースを見ていると、「WBC」という名称が目につくけれど、これは「ワールド・ベースボール・クラシック」なんですね。スポーツにはほとんど興味がないので、ネットのニュースで「WBC」といった言葉を目にすると、つい、ボクシングか、と…

「純粋な資本主義にとって「偽計」と「偽装」は想定内と思え」松原隆一郎(「中央公論」3月号より)

遅ればせながら読んだけど、なかなかおもしろい視点を提供してくれる記事。 小泉政権への追い風が逆風になりつつある、という見方に対して松原氏は、 けれども、この見方は違うのではないか。これらが事件化したのは、野党が主張しているように小泉構造改革…

村上春樹:直筆原稿が古書店に大量流出 編集者が無断売却(毎日インタラクティブ)

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20060310k0000m040171000c.html 今月の文春に村上春樹が書いている記事は読んでいないけど、あとで読んでみるつもり。 この件、内田センセイの日記でもふれられている。 また、こちらの日記も参考になっ…

ちょっと遅いけど、やはり気になることなのでメモ。

リクエストしていた本『早稲田古本屋日録』『ラテンアメリカは警告する』

まったくもって脈絡がない2冊なのだが、図書館にリクエストしていたら、同時に届いたので。早稲田古本屋日録作者: 向井透史出版社/メーカー: 右文書院発売日: 2006/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 58回この商品を含むブログ (51件) を見るラテン・…

三崎亜記『バスジャック』(集英社)

『となり町戦争』で注目された著者の2冊目の作品集。「小説すばる」に発表された7つの短編が収められている。長さはいろいろあって、数ページのものから90ページを超えるものまでさまざまだ。どの短編も読みやすいのだけど、どれもが書き込みが不足気味の…

それにしても本が売れない。この間、売れたのは2冊くらいか。出品数もちびちびと増やしているが...?

山本幸久『凸凹デイズ』(文藝春秋)

以前、偶然入ったブックオフでやっていた「単行本500円均一セール」で買った本。 同じ著者の『はなうた日和』ISBN:4087747670 がけっこう面白かったので、均一セールで見かけてすかさず購入。 まだ最後まで読んではいないのだけど、買って正解。時間が許せば…

ここ最近、アマゾンでの本の売れ行きがいまひとつ。とくに在庫が減っているわけでもなく、ちびちび出品して、価格調整もしているのだが...。昨日はこんな本が売れた。

内田センセイの日記から、以下メモ。 小泉純一郎という人は「文体だけがあってコンテンツがない」ということで意見の一致を見る。実際もそういう人らしい。 日刊ゲンダイの記者との面談で、上のような意見で一致したらしい。要するに、「中身がない」という…

出がけ、郵便を出すついでに郵便局に設置してある本のコーナーを見ると、古いハヤカワのポケミスが並んでいたので、いくつかいただいてくる。 相方が、最近知り合いになった方といっしょに、その人のすすめる「おいしい日本酒が飲める店」に行ったのだそうだ…

平岡正明『昭和ジャズ喫茶伝説』(平凡社)

青山氏はその連載の中で、「失われた街の風景がそこいらじゅうからぐんぐん立ちあがってくる、まるで広瀬正的タイムマシン本」と評していたけど、1960年代半ば生まれのワタクシにとっては、60年代の東京の風景は過去そのものであって、もう歴史の一場面。と…