「急ぐべき自殺防止対策は何か」

作家の猪瀬直樹が編集長を務める「日本国の研究」から。
http://www.inose.gr.jp/mg/back/050210.html

この論説の筆者は朝日新聞の記者。

日本における自殺者の数は、1998年以降、毎年3万人を超え、03年は3万4427人で過去最高ということは、ニュースにもなった。そして昨年も、やはり年間3万人の見込みなのだそうだ。
この数字は欧米各国と比べてもかなり高い比率だそうで、自殺死亡率にすると、アメリカの2倍、イギリス・イタリアの3倍前後だという。
こうした背景には、経済生活の悪化、とりわけ多重債務による負債、働き盛りの過重労働と不安定雇用の増加が影を落とす、と記者は書く。
よって国の対策も、従来のメンタルヘルス的なケアだけでなく、サラ金規制の強化や残業規制、雇用形態による賃金格差の是正といった、いわばマクロの労働政策にも踏み込むことを訴えている。

経済生活や職場の実態もふまえた、目配りのある論説だと思う。