中村政則『戦後史』(岩波新書)

カバーの見返しに、「戦争とグローバルな視点を重視する貫戦史という方法を用いて、アジアとの関係や戦争の記憶の問題に留意しながら、激動の六十年を描きだす」とある。この「貫戦史」という手法の意味するところは、いまひとつよく分からなかったが、的をしぼった記述はメリハリがあって、また文章も平易で読みやすい。
とりわけ、1990年代以降の出来事にもスペースが割かれ、イラク戦争小泉首相靖国参拝までカバーされているので、日本の現代史を短時間でおさらいするのには好適かも。
索引や参考文献、年表も巻末に付いているのは便利だ。