三砂ちづる『オニババ化する女たち』(光文社新書)

オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す (光文社新書)

この本が出た当時(もう一年前だ)と、『論座』だかに反論が載ったさい、内田先生のブログで取り上げられていたのを読んだことがある。たしか、内田先生が言われていたことは、「両者とも、主張にそれほどの違いはないのでは?」ということだったと思う。
読んでみると、「奇書」と言われるのもうなずける。「卵子の悲しみ」とか「子宮口にも心がある」といった部分には、「ちょっとなぁ」とも思う。

でも、「誰でもいいから縁のあった男性と結婚して子どもを生みなさい」という主張「だけ」にとらわれないようにすれば、わりと興味深く、耳を傾けるに値する内容ではないか。人間も生物である以上、性や生殖についてはプリミティブな側面を大事にすることは重要だろうとも思うし。

本書は「社会性が欠落している」ところもあるけど、その点を批判しても、あまり生産的ではないだろう。むしろ、「こういう身体性の見方もある」ということを頭のスミにでも入れて、暮らしていくことのほうが、有用なのではないだろうか。


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