キース・ジャレット・トリオ『The Out-of- Towners』(ECM)

ジ・アウト・オブ・タウナーズ

ジャズの世界では、現在もっとも知名度のあるグループの新作。
日本語のライナーを見ると「キース・ジャレット・トリオ」と書いてあり、ここでも便宜上同じように書いているけど、たしかキース自身は以前に、「キース・ジャレット・トリオとは呼ばないでくれ」と言ってたのではなかったか。
だから最近の作品では、ジャケットにトリオ三人の名前(Keith Jarrett、Gary Peacock、Jack DeJohnette)が並べて書かれていたし、本作もそうだ。

また、このCDは昨年の発売だけど、演奏は2001年7月28日ミュンヘンでのライブ録音。
ライナーの中でジャズ評論家の青木和富も指摘していたけど、前作「Up For It」が2002年のライブ録音なので、普通に考えると発売順序が逆であり、何か勘ぐりたくもなる。

でも、演奏それ自体は、いつものようにテンションが高く、この三人ならではの絶妙のインタープレイ。選曲もちょっと変わった傾向で、有名曲を取り上げた前作よりも、渋めになっているか。
べつに比べることはないけど、前作よりも、本作のほうが好みだ。

その分、どうして発売が遅れたのか、不思議。